双子育児は、毎日がにぎやかで楽しいものです。
でも、楽しいばかりじゃないのが子育て。特に「平等に接する」ことが求められる双子育児では、ちょっとした言動で心が揺れる瞬間が多々あります。
その代表的なひとつが、「片方だけ褒めたとき」。
今日は、そんな“小さなすね”にどう向き合っているか、わが家の実例を交えながらご紹介してみたいと思います。
ふとした瞬間に見える“もやっ”とした表情
ある日、長女がきれいな色でぬり絵をしていたので、
「すごい!とっても上手に塗れたね!」
と思わず声をかけました。すると、近くで遊んでいた次女が、ぬり絵を見てもいないのに「わたしも!」と主張してくるのです。
それもそのはず。
双子はいつも“セット”で評価されてきた存在。親である自分たちも、つい「2人一緒に褒める」クセがついているからです。
でも、この日は本当に長女のぬり絵が素敵だったので、自然に褒め言葉が出てしまった。
次女の顔を見ると、口をへの字にしながら、手元のぬり絵を見せてきます。たしかに、次女の絵も頑張っている。でも、今日は長女の仕上がりの方が上だった。
ここで悩むのが、「本当に見たままを褒めていいのか?」という問題です。
双子にとって“平等”はとても敏感な感情
年齢が違う兄弟姉妹なら、自然と「年上だから我慢してね」などと調整がしやすいですが、双子となると話は別。
- 生まれた瞬間から一緒
- 服もおもちゃもほぼ同じ
- 体の成長や言葉の発達も似ている
だからこそ、「不公平」に敏感なんです。
もちろん、性格や好みは全然違うんですけど、「なんで○○ちゃんだけ?」という感情は非常に鋭く反応します。
親としては一人ひとりをちゃんと見ているつもりでも、「褒める」「注意する」といった行為が偏ってしまうと、どちらかがスネる・泣く・怒る……ということがよくあります。
わが家で試している“褒め方の工夫”
とはいえ、「じゃあ全く同じタイミングで褒めよう!」なんて無理な話。
なので、私たちが心がけているのは以下のようなポイントです。
① 時間差で褒める
たとえば長女を褒めた後、あえて少し時間をあけてから次女の良いところも探して褒めるようにしています。
「○○ちゃんのこの色づかい、すごくきれいだったよ」
「△△ちゃんもこのところが丁寧に描けててすごいね」
一瞬“取り繕ってる”ように聞こえるかもしれませんが、次女の表情が明るくなるのを見ると、「見てもらえた」と感じること自体が嬉しいんだと気づかされます。
② 「それぞれの得意」を強調
2人の得意なことをしっかり覚えておいて、「○○は歌が上手だよね」「△△はダンスが得意だね」と、個性の違いを大事にしています。
これを繰り返すうちに、自然と「どっちもすごい」と思えるようになってきた気がします。
③ 「すごいね」を“比較”ではなく“尊重”で伝える
「○○ちゃんの方がすごいね」と比較すると確実に荒れます(笑)。
だから「○○ちゃんのこれ、いいね!」という“事実としての観察”を褒めるスタンスを取るようにしています。
「競争」じゃなくて「並走」にしてあげたい
双子はつい比較されがちです。
親である自分自身も、何気なく「どっちが早くできたか」「どっちが上手か」と見てしまうことがあります。
でも、彼女たちの世界は“勝ち負け”じゃなくて、“一緒に進む”ことの方が大事なんだと、最近とても感じています。
どちらかがうまくいっていない時でも、もう片方が手を貸している姿を見ると、「比べなくていいんだな」と教えられます。
まとめ:双子育児のコツは「平等」ではなく「公平」
双子育児でよく言われるのが、「平等に育てるのが大変」という言葉です。
でも、私は最近、「平等ではなく、公平が大切」だと思うようになりました。
- どちらもきちんと見ているよ
- それぞれの良さがあるよ
- 君だけの素敵なところを知っているよ
そう伝えられるように、言葉の選び方やタイミングを工夫しています。
双子育児は、バランスを取るのが本当に難しい。でも、毎日が学びの連続で、子どもたちに成長させてもらっている気もします。
これからも、2人それぞれの良さを大切に、時にはすねられながら(笑)、親として並走していきたいと思います。

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