「防災リュックを用意したいけれど、何を入れればいいのか分からない」
「子どもの分まで入れると重くなりそう。どこまで持ち出せばいい?」
防災用品は、ただリストどおりに詰めれば終わりではありません。家族構成、子どもの年齢、住んでいる地域、避難方法によって必要なものが変わるからです。
この記事では、政府広報や消防庁の情報をもとに、子どもがいる家庭で防災リュックを考える順番を整理します。特定の商品をすすめる記事ではありません。家にあるものを確認しながら、無理のない範囲で準備を始めてみてください。
防災リュックと自宅備蓄は役割が違う
最初に分けて考えたいのが「避難するときに持ち出すもの」と「自宅で生活を続けるために備えるもの」です。
- 非常持出品:避難時にすぐ持って出る、必要最小限のもの
- 自宅備蓄:水道・電気・ガスなどが止まったときに、自宅で生活するためのもの
防災リュックへ何日分もの水や食料を詰め込むと、重すぎて持ち出せなくなることがあります。一方で、自宅に十分な備蓄があっても、緊急避難の際に何も持ち出せないと困ります。
「すぐ持ち出す分」と「家に置く分」を分けると、準備しやすくなります。
内閣府の2025年8月調査では、家庭で3日分以上備蓄している人の割合は、飲料水が69.8%、食料品が59.8%でした。一方、携帯トイレ・簡易トイレは27.2%です。水や食料だけでなく、停電・断水時のトイレや衛生面も忘れず確認したいところです。
物を詰める前に、家族で決めておく5つのこと
消防庁は、災害に備えて家族で話し合い、避難場所、連絡方法、誰が何を持ち出すかなどを決めておくよう案内しています。
防災リュックを準備する前に、次の5項目を家族で確認しましょう。
1. 家の中で安全を確保する場所
災害は、家族が一緒にいるときに起きるとは限りません。まず自宅内で、家具の転倒や落下物が少ない場所を確認します。
家具の固定、寝る場所の周辺、避難経路をふさぐ物がないかも一緒に見直します。
2. 避難場所と避難経路
自治体のハザードマップを見て、災害の種類ごとに避難場所と経路を確認します。
地震、水害、土砂災害では安全な場所が異なる場合があります。「いつでも同じ避難所へ行けばよい」と決めつけず、自宅周辺のリスクに合わせて考えることが大切です。
3. 家族が離れているときの連絡方法
電話だけに頼らず、災害用伝言サービスや集合場所など、複数の方法を考えます。
子どもが園や学校にいる場合は、引き渡しルールも確認しておきましょう。
4. 子どもの避難を担当する人
大人が複数いる家庭では、誰が子どもの手を引くか、誰がリュックを持つかを決めます。
双子やきょうだいがいる場合は、子ども一人につき大人一人で動けない状況も想定します。実際の避難経路を歩き、無理のない持ち方や移動方法を確認してください。
5. リュックの置き場所
すぐ持ち出せる場所に置きます。ただし、玄関だけに置くと、玄関が使えない場合に取り出せないこともあります。
政府広報では、玄関の近く、寝室、車内、物置など、家の倒壊も想定して分けて配置する方法が案内されています。家の状況に合わせて、家族全員が場所を知っている状態にしておきましょう。
基本の非常持出品チェックリスト
家族構成や地域によって調整する前提で、まず次を確認します。
情報・連絡
- 携帯電話
- モバイルバッテリーと充電ケーブル
- 携帯ラジオ
- 家族の連絡先を記した紙
- 小さなメモ帳と筆記用具
- ハザードマップや避難場所のメモ
明かり・安全
- LEDライト
- 予備電池
- 軍手
- ホイッスル
- 雨具
- 防寒用のアルミシートなど
水・食料
- 持ち運べる量の飲料水
- すぐ食べられる保存食
- 子どもが食べ慣れている補助食
初めて食べる非常食だけを用意すると、非常時に子どもが食べられないことがあります。普段の生活で一度味や開け方を確認し、無理なく入れ替える方法を考えます。
衛生・救急
- 携帯トイレ
- ティッシュ、ウェットティッシュ
- マスク
- ごみ袋
- 救急用品
- 常用薬とお薬の情報
- タオル
身元確認・大切な情報
- 身分証明に必要な情報の控え
- 健康保険や受診に必要な情報
- 母子健康手帳など、子どもの健康情報を確認できるもの
- 家族写真
重要書類の原本をすべてリュックへ入れっぱなしにするのではなく、何を普段から携帯し、何を控えとして保管するかを家族で決めます。個人情報の紛失にも注意してください。
子どもがいる家庭で追加を考えたいもの
子どもの年齢や体質に応じて、次のようなものを検討します。
- 紙おむつ、おしりふき、使用済みおむつ用の袋
- ミルク、哺乳びん、授乳に必要なもの
- 離乳食やアレルギー対応食
- 着替え、下着、靴下
- 子ども用マスク
- 子どもの薬や健康状態を書いたメモ
- 小さなおもちゃ、絵本、カードなど安心につながるもの
- 子どもの名前と保護者の連絡先を書いたカード
アレルギーや持病がある場合は、必要な情報が第三者にも伝わる形を考えます。薬や食品の扱いは、医師・薬剤師や製品の保存方法も確認してください。
一つずつそろえるのが負担な場合は、防災セットも選択肢
防災用品は家にあるものから準備できます。一方で、一つずつ確認してそろえる時間が取りにくい場合は、必要品をまとめた市販の防災セットを準備のきっかけにする方法もあります。
セットを選ぶときは、広告の点数だけで判断せず、内容物、家族の人数、子どもの年齢、アレルギー、持ち運べる重さを確認してください。購入後も、家庭に必要なものがすべて入っているとは限らないため、この記事のチェックリストと照らして追加・入れ替えが必要です。
以下は、A8.netで提携している防災セットの広告です。
広告の商品を購入しなくても、家にあるものを集めるところから防災準備を始められます。
子ども本人にも「小さな役割」を持ってもらう
防災を怖い話だけで終わらせず、子どもと一緒に準備する方法があります。
例えば、次のような役割です。
- 自分が安心できる小さなおもちゃを一つ選ぶ
- 家族の集合場所を一緒に確認する
- ライトが点くか確認する
- 水や食品の期限確認にシールを貼る
- 自分の名前と保護者の連絡先を練習する
子ども用の小さなリュックを作る場合も、重い水や危険な物を無理に持たせないようにします。年齢、体格、避難経路を踏まえ、大人が実際に持って歩ける総重量を優先してください。
半年ごとに見直す
防災リュックは、一度作って終わりではありません。子どもの服やおむつのサイズ、食品・薬の期限、家族の連絡先は変わります。
誕生日や防災の日など、忘れにくい時期を決めて、半年ごとに次を確認します。
- 水、食品、薬、電池の期限
- 着替えやおむつのサイズ
- モバイルバッテリーの充電状態
- ライトやラジオが使えるか
- 家族の連絡先に変更がないか
- 避難場所・避難経路に変更がないか
- リュックを大人が無理なく持てるか
期限が近い食品は普段の食事で使い、使った分を買い足すと、無駄を減らしながら備えを保てます。
最初から完璧にそろえなくても大丈夫
防災用品を一度に完璧にそろえようとすると、費用も手間もかかります。
まずは家にあるライト、充電器、タオル、袋などを集め、足りないものを確認するところから始めてみてください。物を買う前に、避難場所、連絡方法、子どもの担当を話し合うだけでも大切な準備になります。
家族の状況に合うこと、実際に持ち出せること、定期的に見直せること。この3点を意識して、少しずつ備えを更新していきましょう。

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